僕が船乗りを目指したわけ。

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色んなことを書くと言いながら、気付いたら船のことばかり。

ブログ名が「船乗りブログ」でしてるのでいいですよね。

今日は船乗りを目指した理由を書こうと思います。

船乗りになるためには

船乗りと言っても、船乗りには海技士資格が必要な「職員」と「部員」があります。

僕が書くのは「職員」であったので、職員になるためのことを書きます。

船乗り(職員)になるには海技士免状が必要です。これがなんと1〜6級まであります。

外航船員になるには3級、内航船員になるには4級を持っていなければなりません。

海技士免状を取得するには、以下の3つの資格が必要です。

  1. 学科試験
  2. 口述試験
  3. 乗船履歴

学科試験については商船大学(神戸大学、東京海洋大学)、商船高専を卒業すると免除されます。授業の単位が必要となります。

口述試験については、この前の記事通り、入社前に受験する試験です。

乗船履歴とは実際に船に乗り、実習などを行った期間のことです。乗るだけで乗船履歴になるので簡単だと思われるかもしれませんが、意外とこれが一番厳しいです。

3級の海技士免状を取得するのに必要な乗船履歴は1年要ります。。。

船乗りになろうと思ったきっかけ

僕は商船大学を卒業したのですが、実は船乗りになろうと思って入学したわけではありません。

子供の頃から「船乗りになりたい」と言う夢があった人は、なろうと目指して商船大学を受験したり、早い人であれば、中学卒業時に商船高専に進学する人もいます。

ですが、僕が入学した商船大学も実際に入学してみると、入学当初から船乗りになりたいという人は200人中20人もいなかったと思います。

そんな僕も多数派の一人で、センター試験の成績から通える大学を探していたら、見つかった大学がたまたま商船大学でした。

商船大学には2年生に上がるタイミングで学科を決めなければなりませんでした。

学科によっては商船大学であるのに、乗船実習が必修ではない学科もありましたが、どうせだったら乗船実習がある学科を選びました。

どうせだったらと思った乗船実習が僕が船乗りを目指すきっかけとなりました。

乗船実習

最初の乗船実習は丸1ヶ月という地獄の期間でした。しかも大学生の春休み。

大学生の春休みは普通なら、飛び跳ねて遊んでいるところ、船の中にぶち込まれました。

その時はさすがにどうせならと決断した自分を殴ってやりたかったです。。。

乗船実習に進んだ学生の中では、正直半分ぐらいが必修単位を取るための人がいたと思います。

初めての船旅。しかも揺れの大きな帆船でした。

初航海がすごく荒れた日だったので、船酔いが続出しました。船は当直制となっており、4時間当直に入っていなければならないのですが、16人中3人ぐらいしか最後まで立っている人はいませんでした。

その中の1人が僕でした。なんと船酔い耐性を持っていたのです。

実は三半規管が強い人は船酔いにも強いらしく、僕は少数派の方でした(笑)

船酔いも全くせずに意外と実習に打ち込めた1ヶ月だったので、これは次も乗ってみるのもアリかなと言うぐらいの思いでした。

そんな中、ある教官に言われた一言が今でも印象強く残っています。

その言葉は「一年の乗船実習をするのにおよそ1000万円かかっている。私立大学の人はそれを払ってでもなろうとしている人がいる。商船大学は国立なので普通の学費で国家資格が取れる。今のお前たちはすごい恵まれた環境にいる。」

その教官は普通の企業に就職していて、それでも船乗りになりたいと思い、お金を払ってまで教官と言う立場で船乗りを目指しました。

すごい現実的な話だったので余計に印象強く残っているのかもしれません。その話を聞いて資格取れるなら取ってみようかと言うことで船乗りの道を進むことにしました。

実習の様子

就職活動で背中を押したもの

そんなこんなでその次の実習(2ヶ月)も続け、就職活動の時期になりました。

就職活動を始めると、今までより明確な将来像が見えてきて、船乗りになるか余計に迷いました。

就職か進学か、海か陸の企業か、営業か技術職か、様々な迷いが出ましたが、最後の決心をしたのは船会社の会社見学に行った時でした。

実際の船乗りの人から話を聞くときがあって、質問されました。

「我々は船で資源、エネルギーを運んでいるが、日本に現在どのくらいの貯蓄があると思う?」

僕は毎日すごい数の船が動いているので、2.3ヶ月分と答えました。

「正解は2週間分」

僕の想像よりはるかに少なかったです。

「我々が2週間船を動かすことができなかったら、2週間で日本人は普段の生活を送れなくなる」

この言葉を聞いた時すごく衝撃を受けたのを今でも覚えています。全ての船が止まるなんてことは想像しづらいですが、そのぐらい責任を持って船を動かしている。そんな仕事をしていると胸を張って言えるのが少しかっこよく思いなろうと決心しました。

最近では、コンテナ船の運賃が史上最高値を更新したとニュースがあ理ましたが、裏では船を止めないために船乗りが苦労しているんだなと胸の中で思います。

まとめ

僕が船乗りを目指そうと思った理由は

  • 実習の楽しさ
  • 船乗りの仕事の責任感

この2つと、後は周りになかなかいない特別感も少しはありました(笑)

人それぞれ目指す理由はあると思いますが、これが僕が船乗りを目指した理由です。

次回は船乗りと普通のサラリーマンを経験した僕だから言える、船乗りのメリットとデメリットについて書きたいと思います。

それでは、ばいちゃっ!!

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